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2011/10/19

応援するという事


ただのファンだった自分がひょんなことからチームを内側から観る立場になった
だからこそ見えてくるものってやっぱり少しはあるんだよね

今、僕はもうファンという立場ではなくなってチームの中で皆を見てる
ニスモのピットにはスポンサーですら立ち入りは容易に出来ない
原則的にはいわゆるチームクルーしかいないわけ
じゃあ、僕はどういう立場でそこに立っているの?
そこに居る事自体が場違いなイメージが常に付きまとう

チームクルーは皆自分の役割が明確にあって迷わずに仕事をする
もちろん僕らにも家に帰ったらPMS作るという仕事が待ってるし、そのために現場にいるんだけど、じゃあ、その場で僕に何か出来るの?
なーんにも出来ない。ただ眺めているだけだ。それが凄くもどかしく感じる
クルーの皆は「君たちはチームの一員だよ!」って言ってくれるけどやっぱり僕は「自分はチームの一員だ」なんて口が裂けても言えない
目の前で黙々と作業してるメカや、真剣にデータとにらめっこしてるエンジニアに対して、心の中で「頑張れっ」って必死に叫ぶことしか出来ないんだもの
結局僕はピットに入っても「応援」してるんだ。なんだ、やっぱりそれってファンじゃないか
でも皆は本当に僕らを暖かく受け入れてくれる。いろいろな葛藤はあるけれど実際ニスモのピットは僕らにとってとても居心地がいい
みんな優しいし、一緒にいるとものすごく楽しい
で、受け入れてくれる皆の気持ちに応えたいと思う。もっとチームの役に立ちたいと思う
でもこれは傲慢な欲だ
チームの一員でありたいというエゴなんだ
何も出来ないくせに何を求めてやがるって話だ

んで、結局少しずつ撤収の手伝いとかをするようになった
きっかけは去年のSUGO
あのキルスイッチ事件があったレースだ
レース終了後沈んだ空気の中黙々と撤収作業する皆をただ眺めてるのがあまりにも辛くて自然と手伝いはじめた
やってもいいのか困惑しながら、それでも出来る事を無言でやった
表面上、皆は僕が手伝う事を静かに容認してくれた
そんな感じで撤収のお手伝いはいつのまにか当たり前になっていった
金曜入りできた時は設営の手伝いもするようになった
そうして1年が過ぎた頃、チームマネージャーの細貝さんが何も言わず僕にあるモノを手渡してくれた
それはメカニックが普段使ってるモノとお揃いのグローブだった
微妙に涙でた

そして今年の最終戦。ファイナルラップ。目前のシーズン3勝目
トップでゴールする本山さんを皆がサインガードに出迎えに行く
メカニックの小笹さんが僕らを呼んでくれた
初めてサインガードまで出て金網の間から精一杯カラダを突き出してフィニッシュする23号車に手を振った
本山さんはいつも通りサインガードぎりぎりまで寄ってきて、そして凄まじいスピードで目の前を通り過ぎフィニッシュラインを通過していった
僕は少しだけチームクルーの仲間入りが出来た気がした
それはまた傲慢が頭をもたげてきた瞬間だった

僕はそういう葛藤を常に抱えながらピットに居る
だから自分たちはチームの一員だと公言して憚らないファンを見るとちょっと違和感を覚えるんだ
もちろんそういう気概を持って応援するのはむしろ大事な事だとも思う
でもそこから「自分たちは特別だ」そんな事を思い始めたらそれはもう傲慢でしかない

ドライバーはファンの応援があったから勝てた!って言う
それは本心だと思う

でもファンがそれを鵜呑みにして自分たちの応援があったから勝てたと豪語する事はやっぱり傲慢だと僕は思うんだ
勝てたのはドライバーとチームが頑張ったからだ
その頑張りを陵辱するな!と思う

虚栄心や見栄、過度な自負心、独占欲や嫉妬、
凡人の僕らはとても悟りなんか開けないしこういう煩悩とは無縁になれない
けれど、自分の立ち位置を見つめる客観性を持ち続ければバランスを失う事はないはずなんだ
僕はやっぱり一ファンだ。だからPMSはチームに対する応援歌といっていい

前だけ向いて戦うドライバーとチームに最大限のリスペクトを持って、謹んで、そして全力でこれからも応援していきたいなあと思う
だって応援するってファンの特権だもの
だからファンは本来何も見返りを求めない
したいからする、それだけだもの
応援するって本来そういう事でしょ?
無償の愛、これこそファンの気概ってやつじゃね?

2011/10/06

勝ったー!!!

やりました
勝ちました

もうとにかく嬉しい1勝です
いろんな意味で大きな価値のある勝利でした

今シーズンは運や戦略から辛い役回りばかり担ってきた本山さん
久々においしいところを全部持っていきました